メンタルヘルス企業担当者向けメンタルトレーニング情報・効果が出る早期発見・早期対策とは。
多くの企業様を訪問していると、必ず次の質問をお聞きします、それは、
「メンタルヘルス不調者の早期発見、早期対策をやりたいのですが、どうやったらいいのかよくわからないのです。何か良い方法はありませんか」
多くの企業では、すでにいろいろな対策をやっているのですね。ストレス診断テストはやっているし、ラインケアセミナー、セルフケアセミナーもやっているのです。そして、Eラーニングによる教育や電話相談だって導入しているのです。
でも、早期発見がうまくいかない。
私は次のようにお答えするようにしています。
「方法は、二つだと思います。それは、早期発見ができる本当に使える心理テストを使うこと。そして、メンタルヘルス不調者に強烈なネガティブ感情を発生させている、脳内の感情の発電装置である「扁桃体」を鎮静化するメンタルトレーニングを導入すること、です」
なぜか。ご説明します。
多くの企業ですでに導入されている診断テストは、たとえば次のようなものが多いのではないかと思います。
・眠れますか
・食欲がありますか
・意欲がありますか。
・生きがいを感じますか。
など。こういった項目に〇が付くと、産業医などの面談を受けるのだと思いますが、これらの項目に〇がつくというのは、すでに重症であることが多いからです。よって、早期発見になっていないのです。
または逆もありますが、軽い気持ちでこれらの項目に〇を付けても、重症者とみなされたりします。要は、こういった診断テストでは、うつのレベルがよくわからないのです。
現在、政府がすべての企業に導入を義務付けようとして検討されているとされるストレス診断テストは、9項目くらいの簡単なものですが、それは先ほどのような設問によって作られています。
これらに〇が付くレベルを付けても、今のうつのレベルが正確に把握できないのです。
もっと、今のうつのレベルがどの程度なのか、ということが判定できるストレス診断テストが必要だと思います。当研究所が使用している抑うつ尺度は、筑波大学名誉教授・宗像恒次博士が開発したものですが80点中で、35点以下はうつがないレベル、36点~48点がうつがすこしあるレベル、49点以上がうつが強いレベル、69点以上がうつが強すぎて非常に危険なレベル、になっています。
早期発見というのは、この尺度でいうと、49点以上の人を発見することなのです。
または、うつを作り出すパーソナリティを診断テストもあります。世の中にはこうしたテストはありません。
やはり宗像教授が開発してたものですが、自己抑制型行動特性尺度という、本音の感情を言える度合いを見ていますが、これが15点以上をとると、まずうつになる可能性が非常に高まります。潜在的な性格リスクを判定できるのですね。
これらの診断テストを用いることで、うつリスクの高い人を正確に割り出せるわけです。
そして、リスクの高い人を割り出せたとします。次は対策ですね。
基本的にうつリスクが高い人とは、脳内の感情の発電装置といわれる扁桃体という部位が、非常に敏感に慢性的に興奮状態になっている人なのです。これを鎮める心理トレーニングを行うことが大切なのです。
メンタルリスクが高い人とは、職場で人間関係の問題を必ず抱えています。上司が苦手だとか、同僚が苦手、部下が苦手、など。苦手な人間関係に囲まれていて、仕事上の悩みを適切に相談できずにそれでダウンするのです。
なぜ、相談できないかというと、扁桃体が興奮しすぎていて、脳内では意思決定の座である前頭前野の血流量がダウンし、自分の都合をきちんと言えない状態になっているからです。
多くの企業では、カウンセラーがこれらの方々にお話を聞く、というカウンセリングを行うと思いますが、お話を聞くということは大事なことなのですが、残念ながら扁桃体はお話を聞いてもらっただけでは鎮静化しません。
扁桃体とは、筑波大学の研究では胎児期でしシナプス結合が作り始められ3歳で完成する組織です。「3つ子の魂、百までも」という言葉があるように、3歳で私たちの感受性が完成するのですが、私たちは3歳以下の記憶を持っているでしょうか? ないですよね。つまりお話を聞いてもらっても、感受性が出来上がった原因である3歳以下のことは覚えていないので、話せないのです。
私たちが記憶している記憶とはエピソード記憶といいますが、脳内の海馬(かいば)という場所に貯蔵されている記憶です。これは幼稚園でいじめられたとか、小さい時お父さんに怒られた、とかそういう記憶です。これはは聞いてもらえれば話せます。しかし、うつなどのメンタルヘルス不調の原因は、扁桃体の興奮ですから、これを鎮めるには、傾聴カウンセリングは大事なのですが、それだけでは防げないのです。
早期対策とは、うつリスクのある人を見つけて、扁桃体興奮を鎮める、ということを行うことが必要になるのです。
我々のメンタルトレーニングは、3歳以下の記憶イメージを貯蔵している扁桃体を扱うことから、セラピーとも呼ばれることもあります。世の中にはセラピーはたくさんありますが、確実に扁桃体を鎮静化することに効果があるのかどうか、という検証が必要です。
多くの心理療法は、効果について科学的な検証を行っているわけではありません。
私がメンタルトレーニングをお勧めするのは、この方法は長年、筑波大学大学院にて医師、看護師、薬剤師、保健師、などの医療従事者によって、効果検証をして論文化されてきたからなのです。
うつリスクのある人を確実に見つめて、扁桃体興奮を止めていくこと。これが確実な早期発見、早期対策になると考えています。
いまやっている対策に、扁桃体興奮を鎮める、というメンタルトレーニングを付け加えると、より万全な対策が取れると思います。
*脳科学メンタルトレーニングに関する資料をお送りします。こちらのお問合わせフォームからどうぞ。
2014/02/08