企業メンタルご担当者様向け情報「健康心理学から見る、メンタルセルフケアの考え方とは」
最近、よく報道されていることですが、日本のビジネスマンは他の先進国のビジネスマンと比べて非常に幸福度が低いのです。
こんなに物質的に恵まれているし、こんなに犯罪も少ない国に住んでいるのに、幸せと感じているビジネスマンの割合が非常に低い、のです。
健康心理学の立場から言うと、これは非常に「不健康」なことです。精神健康度が低い。
幸せじゃない心の状態でずっと仕事を続けていると、いつか身体の病気にかかるでしょう。つまり、健康心理学の立場から見ると、今、病気があるかないかと言うことが、健康であるとかないとか、そういう問題ではないのです。
今、幸せだなあと感じる、精神健康度が高い生き方、働き方ができているかと言うことが問題なのです。
ではなぜ、多くの日本人は、今、幸せではない、と感じているのでしょうか。ここで健康心理学は、ある明確な確信を持っています。それは、
もともと私達日本人は、「他者への依存性が強い」からです。どういうことか。
これは弊社顧問の筑波大学名誉教授・宗像恒次博士が開発した、パーソナリティ診断テストにより明確になっています。対人依存度と言う、他人に「察してほしい」という、度合いの強さを測定する診断テストの得点が、日本人は非常に高いのです。
察しを求める度合いの強さとは、こういうことです。言わなくても自分の本音の気持ちを汲み取ってってほしい、という心理と言えば分りやすいでしょうか。
これが高いとどうなるか。日本語って、はっきり言わないですよね。語尾を濁して、察してくれることを期待するような言い方をします。
「あれの件ですが、どうですかねえ・・・・」みたいな言い方です。
「あの件ですが、無理そうですか。それとも、脈はありそうですか」と率直に質問せずに、「どうですかねえ・・・」と、そこにある不安に配慮してもらう事を期待する言い方をする。
これが察しを求める言い方です。
で、昔の日本企業は、察してくれる人はたくさんいたのです。だから安心して依存できた。
別の言い方をすると、自己決定しなくて済んだ、ということです。結論のリスクを自分自身で背負う、ことをせずに済んだ、ともいえると思います。
でも、今、日本人は昔ほど、察してくれないのです。個人主義はさらに進んだとか、いろいろあると思いますが、職場などでは、他人のことなどかまっていられない、という人が増えましたよね。
そんな環境変化があるのに、日本人の対人依存度のパーソナリティは、変わっていないのです。ということは、不安が強くなるのです。
察してほしい、と強く願っているのに、察してくれるかどうかはわからない、ということだけは感じているとどうなるでしょうか。不安になりますよね。
これでは幸福感を感じられないでしょう。
解決策とは? いろいろありますが、そのうちの一つをご紹介すると、それは、察しを求めるのではなく、自分自身の要求を自分で表現する、という生き方・働き方をする事。
たとえば、わかってほしい、と察しを求めて待っているのではなく、そう望んでいるのならわかってもらえるように発言し、動く、と言うことなのです。
そうするとたとえ結果としてわかってもらえなかったとしても、自分の気持ちに正直に動けた自分を認めることができ、ほめることができる。わかってほしい、と待っているだけだと、わかってもらえなかったら、全部だめになるけれど、自分から発言し動くというのは、最悪でも自分自身は自分を認めてあげられる。つまりゼロにはならないのです。
どちらがメンタル対策として有効か、わかりますよね。
後者の人の方が圧倒的にメンタル不調になりにくいし、なったとしても再発しにくい。
こういう心理教育を行うことが、健康心理学なのです。
こう考えると、今までのメンタル対策とは全く違う視点が見えてくることでしょう。
健康経営、というものも今までとは全く違う視点が見えてくることでしょう。
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2016/06/12