休んで元気になっても、うつ再発のリスクが消えていないと言えるのはなぜ?
よくうつなどのメンタル不調になって、しばらく休暇を取ることがあり
ますね。脳内の情動の発電装置と言われる扁桃体の興奮が慢性的に起き
ている時、脳内には神経伝達物質であるノルアドレナリンが高分泌になり、
過緊張に陥り夜が眠れなくなったりします。
そういう状態が長引くと、体力消耗、気力が消耗しますので、へろへろ
になってきますね。そういう時は、エネルギーがまったく枯渇したような
状態になっていますので、休暇を取った方がよいですね。薬も飲んで、ま
ずは眠れるようにした方がよいと思います。
扁桃体は、苦手な人の表情に反応しますから、その苦手な表情がある職
場やコミュニティを離れると、扁桃体の慢性的な興奮は静まり、そうする
と眠れるようになるのです。
しかし、です。
ここでよく私は思うのです。それは、扁桃体は「苦手な表情に恒常的に
反応している」からこそ、慢性的に眠れなくなって、それでその場を離れ
るために休暇を取ったのです。
苦手な人がいる場所を離れれば、元気になるのは当然と言えば当然なので
すね。離れれば扁桃体は刺激を受けないからです。
ということは・・・・・・、
休暇を取って元気になることは、復職が可能になったかどうかを判断する
材料にはならない、ということなのです。
なぜなら、その苦手な人がいる職場やコミュニティに戻ってみて、それ
でも扁桃体が興奮しなければ、復職できるということだからです。休暇を
取って元気になったから、復職ができるとかできないという判断は、そも
そも脳科学メンタルトレーニングの視点から言うと、それは意味をなさな
いのですね。
よって休職をしていた個人の方も、よく「自分はもう大丈夫だ」と言う
方がいますが、それは以上の理論で行くと、それは、苦手な人から離れて
いて扁桃体が鎮静化したから元気になったのであって、苦手な人がいる職
場に戻ってやっていける、つまり復帰できるという理由にはならないので
すね。
すべては、うつやメンタル不調はなにが原因で引き起こされるのか、と
いうことが、脳科学メンタルトレーニングでは原因を特定しているからこ
そ、このような判断基準になるのです。
扁桃体の興奮を止めること。これが復職支援であり、メンタル予防の
カギを握っているのです。
扁桃体の記憶に大きな影響を与えている、記憶イメージの書き換えを
行うと慢性ストレスは消え、自動的にセロトニン、ドーパミンなどの快感
物質を自分で出せるようになり、私たちは笑顔で囲まれて生きていた
という記憶を持てるようになって、そのことで身体ストレス感覚は消え、
うつストレス、生きにくさなどの問題が消えていくのです。
2013/12/08